日本歯科医学会が2012年に行なった全国調査では、インプラント手術を行なう歯科医の6割がトラブルを経験。さらに約25%が神経マヒ、異常出血等の重大なトラブルを起こしていた。特に神経マヒは完治しない場合も多く、患者は一生その後遺症を背負う。2007年には東京・八重洲でインプラント手術による死亡事故(動脈損傷による出血多量)も発生した。
国民生活センターには、去年までの5年間だけで、「インプラント危害を受けた」という相談が430件も寄せられている。「痛みが取れず夜も眠れない」「食べ物が噛めず、体調を崩した」といった内容だ。
だが、一部の歯科医はそうしたリスクを説明せず、患者にインプラント治療を勧めている。
●レポート/岩澤倫彦(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2016年7月8日号