ライフ

儲けの多いインプラント実施の歯科医 6割でトラブル発生

インプラント治療のトラブルは多い

 インプラント治療は歯を失った人のための“切り札”として、日本中の歯科クリニックで行なわれている。

 一般的なインプラント治療は、歯を失ったあごの骨に、ボルト状になったチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、数か月かけて骨と結合させる。その後、セラミックなどの義歯を装着する。

〈自分の歯と同じように噛める〉
〈審美性が高く、周囲に義歯だと気づかれない〉
〈入れ歯のように毎日取り外す必要がない〉

 などの謳い文句で、中高年にとって良いこと尽くめの治療法に見える。

 しかし、実際のところトラブルや合併症はあとを絶たない。口腔外科医として長年インプラント治療を行なっている、おざわ歯科医院・小澤俊文院長。他のクリニックでインプラント治療のトラブルに遭った多くの患者が、小澤院長の元を相談に訪れている。

「インプラント手術は、口腔外科の高度な専門知識と技術、そして経験が必要です。しかし、講習会に参加しただけでインプラント手術を行なう歯科医が今も存在します」

 ネジ状のインプラントの本体が上の歯を支える骨(歯槽骨)からすっぽりと抜け落ちて、それが副鼻腔(顔の内側にある空洞)に入り込んでしまったケースがあった。これは偶然に見つかったもので、インプラント手術を行なった歯科医は、20年間も手術ミスを患者に告げず放置していた。

 診療報酬の抑制で経営難にあえぐ歯科医にとって、インプラントは“救世主”のような存在。自由診療のため、高い手術費用を設定できるからだ。インプラント1本につき20万~50万円と1回の手術で保険診療1日分の数倍を稼げる。

 そこに目をつけた技術も経験もない歯科医が、「インプラント医」の看板を掲げていった結果、どうなったか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン