佐々木氏は妻との2人暮らしを、年金でやりくりしている。そのため、孫への出費は、正直痛手である。それにもかかわらず、彼らは出産祝いに始まり、七五三、入園入学祝い、お年玉など、かなりの額を孫に“投資”してきた。
ソニー生命保険が2015年7月に全国のシニア(50~79歳)を対象に行なった『シニアの生活意識調査』によれば、過去1年間で孫にどのようなことをしてあげたかという問いに、72.5%もの人が「おこづかい・お年玉・お祝い金をあげた」と回答。孫のために使った金額の平均は、11万1375円となっている。
さらにこれが、孫を含めた子ども夫婦への金銭的援助となると、その額は大きく跳ね上がる。サンケイリビング新聞社発行の育児情報誌『あんふぁん』が、幼稚園児を持つ女性を対象に実施したアンケート結果を見ると、不動産購入時の頭金やレジャー代なども含む祖父母からの援助金は、1年間で平均74万7526円にのぼる。
近年では過度な資金援助による「孫破産」が問題視されるなど、孫への出費が負担になっているケースは珍しくない。そこへきてお盆玉までが追加されるとなると……。2人の娘に計4人の孫を持つ東海地方で暮らす佐藤浩氏(仮名・62歳)は、こう嘆く。
「帰省時の交通費や滞在時の外食費なんかも全部私が出す。しかも、それが4人分ですから大変です。
それなのに、我が家でも一昨年からお盆玉制度が導入された。1人3000円で計1万2000円。正月だけならまだしも、これを年に2回だなんて」
※週刊ポスト2016年7月8日号