日テレ退社後、複数のオファーがあったという
上田:“芸人事務所入ったら、何させられるんだろう”っていう面白さがあるじゃないですか。実際、バンジージャンプもやりましたし、心霊スポットロケも行かせていただきました。これくらい体張らないとアナウンサーやめた意味もないと思いますし、これって芸人事務所じゃないとありえないお仕事で。松竹芸能に入れていただいて正解だったな~と思います。まあ、実を言うとバンジーの話が来た時は“大丈夫なんか? ほんとに? 一晩考えた方がいい”とマネジャーさんから止められたくらいなんですけどね(苦笑)。
――松竹芸能に決めるまで、どれくらいの数の事務所から声がかかったんですか?
上田:3社ですね、ありがたいことに。本当はオーディションを受けて事務所に入ろうと思ってたんです。私の力量で入れると思ってなかったので、バイトしながら生活して、オーディション受けながら探していけばいいやって。退社すると決めた時点で、中華料理屋さんの面接に行ってお願いしてたんです。
――すごい決断力ですね。芸人事務所で上下関係、厳しくないですか?
上田:全くないです。芸人の兄さん姉さんたちも、みなさん本当に温かく迎え入れてくださってありがたいです。みなさん最初は心配してくださってましたよ(苦笑)。とくに『PON!』(日本テレビ系)でご一緒していた岡田(圭右)師匠からは、“なんでなん!? 大丈夫なんかうちの事務所で”って本当に心配してくださって、“ごはん食べさせてあげられるんか、仕事あげられるんか”ってマネジャーさんに直訴してくれたほど。まあ、マネジャーさんはそこで“保証はできません!”って堂々と答えてましたけど(笑い)。
もっというと、退社を決めた時、まだ事務所も全然決まっていない時に、岡田さんのマネジャーさんに退社のご挨拶をしたらすっごい叱られまして(苦笑)。“やめてなにするんや、本当に厳しい世界なんだぞ”って。なんでこんなに私怒られているんだろう…って一瞬思いましたが(笑い)、こんなに自分の人生を心配してくれる人なんていないなあと。その時は(松竹芸能に)入れてくれとも入って欲しいとも話は出ませんでしたが、気がついたら松竹芸能に心を持っていかれました。
今年の松竹芸能の新年会にも参加したんですが、岡田さんは自分の挨拶の時に私の話をしてくれて。“『PON!』やってたからお前が(上田を)取ったんかと言われるけど、おれはほんまはカトパンがよかったんやー”ってフリがあって。芸人さんだけじゃなくマネジャーさんたちも“カトパンがいいー”とか言ってて、“なんていい会社なんだ!”って事務所愛を改めて感じました(笑い)。元同僚からも“上田は松竹芸能でよかったな”って言ってもらっています。
――タレントとしての目標は?
上田:岡田師匠です!
――本気ですか?
上田:岡田さんはタレントである前に、ひとりの人間として素晴らしいかたなんです。お父さんでもあり、芸能人でもあり、社会人経験もあり、すごく普通の感覚を持っているかた。あとなによりも愛があります! MCを一緒にやっている時に思ったんですが、岡田さんと仕事すると超楽しいんです。みんながハッピーになるような環境を作る人なんですよ。でも最近は岡田さんのことが大好きすぎて、“出たなストーカー”って言われるように(笑い)。独身だったら好きすぎて結婚したいくらいの勢いだから、岡田さんが既婚者でよかった。だって実はすごいイケメンなんですよ、岡田さんて。みんなごまかされてるんですよ、あのギャグに(笑い)。今度よく見てみてください(笑い)。
【上田まりえ】
1986年9月29日、鳥取県境港市生まれ。実家は元イカ釣り漁船の網元で、海に囲まれた土地で育つ。趣味は野球、特技は剣道(初段)。2009年3月、専修大学卒業後、同年4月、日本テレビにアナウンサーとして入社。2016年1月に同局を退社後、同年2月から松竹芸能所属のマルチタレントに転向した。レギュラー番組に『5時に夢中!』(TOKYO MX)、『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)など。
撮影■田中麻以