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2016.07.09 16:00  SAPIO

クリントン財団寄付の中国人 いつ異変起きても不思議はない

遼寧日林実業グループの王文良会長(中国全人代の資料より)


 が、バージニア州は首都ワシントンに隣接し、政治に関心が高い知的市民が多数居住していることで知られ、大統領選への影響が強い州の一つとされる。それだけに、「知事と王の関係が暴かれれば、11月の本選に向けて、少なからぬ影響が出る」(バージニア州の地元紙「リッチモンド・タイムズ・ディスパッチ」)との見方も出ている。

 さらに、ここにきて、王にとっては極めてまずい状況が出来している。

 王の事業の躍進に大きく貢献した元丹東市長で、2014年7月まで遼寧省人民政治協商会議副主席を務めていた陳鉄新が昨年1月、腐敗問題で起訴され、裁判の結果、懲役7年の実刑判決を受けたのだ。その罪状には、王も深くかかわっている丹東港の再開発プロジェクトをめぐる汚職問題も含まれている。

 いまのところ、王は丹東市の副市長で公安局長も兼務している楊耀威と親しい関係であり、地元の警察に逮捕される可能性は低いと見られる。

 しかし、今回のバージニア州知事やクリントン財団の寄付問題が中国内でも関心を集めていることもあり、党中央の査察の可能性も出ているだけに、王の身にいつ“異変”が起こっても不思議ではない。

●そうま・まさる/1956年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。産経新聞外信部記者、香港支局長、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員等を経て、2010年に退社し、フリーに。『中国共産党に消された人々』、「茅沢勤」のペンネームで『習近平の正体』(いずれも小学館刊)など著書多数。近著に『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)。

※SAPIO2016年8月号

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