国内

“イマドキ東大生”針間くんが語る現役合格への「塾歴社会」

「日本一チャラい東大生」針間貴己くん

 日本一チャラい東大生としてテレビなどに出演する、東大理科III類1年生の針間貴己くんが、様々な話題を独自目線で斬る新連載。今回は『サピックス』や『鉄緑会』など、今の日本のエリート頭脳を牛耳る“塾システム”について、経験者である針間くんに語ってもらった。

 * * *
 まだ僕が受験生だったとき、父親が『塾歴社会』(幻冬舎新書)という本をたまたま買ってきていたので、暇つぶしにパラパラ読んでみたことがあった。

 その本では『サピックス』(中学受験の大手塾)から『鉄緑会』(中高一貫校の生徒を対象にした東大受験指導専門塾)という塾に入るのが受験の王道である、というように書かれているのだが、実際その通りだと思うし、僕自身もそのルートを通って東京大学理科III類に合格することができた。その僕の経験を振り返りながら、日本の「塾歴社会」について語ってみたいと思う。

 まず僕のことを知らない人のために軽く僕の経歴を書いておこうと思う。

 僕は小4のときに『サピックス 王子校』に入り、中学受験では『筑駒』(筑波大学付属駒場)、『開成』、『ラ・サール』と受けた学校すべてに合格し、筑駒に進学。そのまま『鉄緑会』に入り、国語は『グノーブル』(大学受験の大手塾)にいったり、『東進ハイスクール』(大学受験予備校)にいったりしたものの、基本的には『鉄緑会』で勉強をし、今春、東大理IIIに現役合格した。

『サピックス 王子校』時代の友人2人もまた、『鉄緑会』を経て東大理IIIに合格している。友人2人のうちの1人は、僕と同じく筑駒へ進学したが、もう1人は筑駒、開成両方に落ち、別の学校へいくことになった。

 それで思ったのが、『鉄緑会』にいくのなら、「中学校も高校も、どこへいっても関係ないのでは?」ということである。

 受験合格のみを目標にするのなら、学校はほぼ関係ない。かつては学校の授業のレベルが違う…、などの問題が発生したが(田舎は今でもきっとそうだろう)、現在は学校の授業は聞いている人がそもそも少ないと思う。

 教養は人間として大切なものだし、将来的にその教養が役立つ場面は数多くあると思う。実際、僕の経験でも、筑駒の経済の授業など興味深いものは多かった。

 しかし、仮に「受験をいかに突破するか」ということにのみ焦点を置くならば、学校の授業は率直にいって無駄が多い。

 僕は理系なので理系として話を進めると、例えば社会の授業はすべて無駄である。センター試験の社会は、直前1か月だけやれば十分な得点がとれる。国語についても、現代文は何回か記述の練習をすれば十分であるし、漢文も句法さえ頭に叩き込めばいい。学校の授業が役立つのは古文くらいであろう。

 そのような背景があるので僕の周りでも、学校の授業はほぼ聞かずに内職(授業を聞かずに自身の勉強を進めること)ばかりしている人が多かったように感じるし、そのような人たちの合格実績は普通にいい。逆に言えば、学校の勉強ばかりしていた人たちよりいいと思う。そのような状況において学校よりも塾のほうが受験に対して明らかに影響をもっているので、今の日本は塾歴社会であると感じる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン