セール開始のニュースに、「いざ、出陣!」とばかりに胸躍らせて百貨店やショップに買い物に行く人も多いと思うが、ちょっと待って。「買ったけどサイズが合わなかった」「“安い”と思って衝動買いしたけど、結局、着なかった」…甘い誘惑に負けた結果、後悔しきりの人、多数。だからこそ、出かける前に知っておきたい、賢いセールの利用術を紹介。
セールは百貨店やセレクトショップ、ファストファッションの店舗などあちこちで開かれているが、どこへ出かけて行くにしても、事前にしておくべきなのはクローゼットの現状のチェックだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが話す。
「夏物と秋物を確認して、何を買い換える必要があるか、どんなアイテムが欲しいのかを知っておくことがなによりも大切です。スマホで写真を撮ったり、メモをしたりして、セールにも持参しましょう」
そうすれば、店での迷いがなくなる。その上で、欲しいアイテムにはゆるい条件を設けておくことも重要だと風呂内さん。
「店舗では『あれがかわいい』『これもかわいい』と目移りし、いろいろなものが欲しくなってしまいます。なので、欲しいアイテムがスカートなら“膝丈”“淡い色”といった条件を決めておきましょう。ただし、“色はベージュ”“素材はデニム”などあまり限定してしまうと、とたんに見つかりにくくなるので、ある程度、条件には幅を持たせた方がいいでしょう」
その条件に合ったものが見つからなかった場合や、予算をオーバーしている場合は諦める勇気を持つ。
「セールでは『欲しいものが1枚でも買えたらラッキー』ぐらいに思ってください」(風呂内さん)
そうは思っても、たくさんの客でごった返す店内の雰囲気にのまれ、必要ないものまで買ってしまうのがセールの常。そういった“事故”を防ぐには“得した数字”を考えないことだと風呂内さんは言う。
「1万円のものが60%オフだと、“6000円も得”と思ってしまいがちですが、もとの値段や値引き率は無視して、“4000円を払うのか”と考えます。すると、そのアイテムが本当に欲しいのかを冷静に判断できます」
「2着買うと2割引」「2着目は半額」「1着は2000円でも2着なら3000円」など、合わせ買いを誘う惹句も増えているが…。
「お店としては、たくさん売って売り上げを上げたいですから。でも、店の戦略に乗せられて必要のないものまで買わないように。やはり“得した数字”は考えないことです」
店内には目立つところに「セール除外品」が置かれていて、いっそうセール品に目が奪われがちだが、それも店の戦略。やはり慎重に。とにかく焦りは禁物だ。