さらに、山西省は汚職の巣窟として有名で、7月初めに裁判で、終身刑の判決を受けた令計画・元中国人民政治協商会議副主席(胡錦濤・前中国国家主席の元側近)の地盤だったこともあり、李小鵬氏も令グループとみられるなど、「いずれ逮捕される」との情報も伝えられた。
今回の異動は、令計画氏が7月4日、裁判で、収賄や職権乱用、国家機密の不正取得などの罪で無期懲役の判決を受けたのと同じタイミングで出されており、山西省の悪いイメージの幕引きで、「省長である李小鵬の人事と重なった」(多維新聞網)との見方も出ている。このほか、香港メディアのなかには「李鵬氏が息子のイメージを考えて、党中央に働きかけて、北京の要職につかせるよう運動した」と伝えるところもある。
このため、李小鵬氏は、65歳の定年の年齢に達し引退する弘毅氏が主任を務める国家資産監督管理委に横滑りの形で、最高責任者として就任することになったとみられる。
同委は中国の国有企業のなかでも、「中央企業(央企)」155社を管理・監督する部門で、これらの企業の役員・経営陣の任命、株式や資産の売買のほか、国有企業に関する法令の起草などを行う。同委主任は大臣クラスのなかでも、末端の役職とみられており、「とても総理や党政治局常務委員を経験した李鵬の息子がつくような職務ではない」との指摘もされている。