1989年の天安門事件当時、民主化学生らに対して、中国首相として軍事弾圧した李鵬氏の長男、李小鵬氏が現在の山西省長から、中国国務院国家資産監督管理委員会主任(同委党委書記)に転じることが分かった。
同委主任は大臣級の職責だが、国有企業155社を統括するポストで、政治的にも大きな権限は与えられておらず、56歳という李氏の年齢からみると、「栄転とは言い難い」と米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「多維新聞網」は報じている。
李小鵬氏は父親の李鵬氏同様、大学で電力問題を専攻し、華北電力学院(大学)を卒業後、電力科学研究院で技師などを務めた。その後電力関係大手の国有企業、華能国際電力に入社し2002年には中国華能集団社長に抜擢されたが、李鵬氏が2008年2月に脳梗塞で療養生活に入ったのを機に、政界に転じた。2008年6月には山西省副省長に就任したが、「親の七光り」と揶揄されるなど、評判は芳しくなかった。
とくに、李鵬氏が天安門事件で軍の導入を主張したことから、以後「軍導入の張本人」と呼ばれ市民の反発はいまでも根強い。
李小鵬氏はその長男であることから、いまだに評判が悪く、党中央委員会候補委員の選挙では171人中171番目と最下位でかろうじて当選した。