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2016.07.25 07:00  週刊ポスト

日本会議が「生前退位」の最大障壁となる可能性

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 天皇を敬うことと天皇の意向に同意することが必ずしも一致しないところに、皇室典範改正問題の難しさがある。

 保守系民間団体「日本会議」は、実はこれまで皇室典範改正に反対してきた。もしかしたらこの巨大組織が、生前退位の最大障壁となるのかもしれない。生前退位の意向が報じられると、東大名誉教授で日本会議副会長の小堀桂一郎氏は産経新聞(7月16日付)でこうコメントした。

「天皇の生前御退位を可とする如き前例を今敢えて作る事は、事実上の国体の破壊に繋がるのではないかとの危惧は深刻である。全てを考慮した結果、この事態は摂政の冊立(さくりつ)を以て切り抜けるのが最善だ、との結論になる」

 日本会議は会員数約3万8000人を誇り、「憲法改正」や「皇室の伝統を守る」ことなどを掲げてきた。その理論的支柱である小堀氏は「生前退位」は「国体の破壊」に繋がると言うのだ。

 これまでも日本会議は、「皇室典範改正」の動きに一貫して抗ってきた。小泉内閣時代の2006年、政府の有識者会議が女性とその子供の「女系」にも皇位継承を認める報告書を提出すると、日本武道館で、「皇室の伝統を守る一万人大会」を開催し、大規模な反対運動を展開した。

 2011年に民主党の野田内閣が、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設を打ち出した時も日本会議は反対し、「今回の政府による皇室制度改革が長い皇室の伝統を破壊することがないよう、政府の実施しているパブリックコメントに応募し、忌憚ないご意見を届けて下さい」と呼びかけた。

 こうした姿勢を取る理由はどこにあるのか。会合の講師に招かれるなど日本会議と関係が深い麗澤大学教授の八木秀次氏が解説する。

「わが国の皇統は一貫して男系によって継承されており、その観点から女系天皇やそれに繋がる女性宮家は認められない。女系を認めれば、対象範囲が際限なく広がる危険性も孕んでいる。

 また皇室典範は歴史を踏まえて生前退位の規定を設けておらず、仮に生前退位を認めると非常に大がかりな制度変更が必要になる。(小堀氏の見解のように)摂政か臨時代行で陛下の負担を軽減するのが現実的です」

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