国内

若者に突如蔓延した「承知しました」の不気味さ

ネットニュース編集者・中川淳一郎氏

「言葉」はいつの時代も変化していくものである。しかし、突如として多くの人が、指摘されるがままに素直にその言葉を使い始めたら──ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、考察した。

 * * *
 人間、誰しも過ちを指摘された場合、それが納得できるものであれば「ハハーッ、なるほどぉ……」と心を改めるものである。しかし、それを一斉に大勢がやりはじめたら──。今回の件は、多くの人からは「そんなことどうでもいいじゃん」と言われることではあるが、私は猛烈な違和感を覚えた。

 それは「承知しました」という言葉の蔓延である。ここ10年ほど、ビジネスメールにおいて「同意」を示す場合は「了解しました」という言葉がまかり通っていた。しかし、昨年頃から潮目が変わる。途端に「承知しました」が主流になってきた。

 この件についてはライターの菊池良氏が今年3月に〈「了解しました」より「承知しました」が適切とされる理由と、その普及過程について〉という記事をネットで執筆し、「承知しました」が2011年あたりから使われるようになったことや、なぜ「了解しました」が不適切なのかを様々な文献から紐解いた。簡単に言うと「尊敬の念が含まれていない」からなのだとか。つまり、目下の人間が目上の人間に使ってはいけないというのである。

 この記事はSNSなどで大いにシェアされ、多くの人が「目から鱗」などと感銘を受け、以後、私の仕事をするIT系・編集系の分野では一斉に「承知しました」が使われるようになってきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン