国際情報

地方幹部抜擢のトウ小平氏の孫息子 動静確認できず

トウ小平氏唯一の孫はどこに(写真:アフロ)

 中国の改革開放路線の父とも呼ばれ、市場経済を導入するなど大胆な経済政策を打ち出した、かつての中国の最高実力者、トウ小平の唯一の孫となるトウ卓棣氏がこれまで勤務していた広西チワン族自治区平果県の幹部名簿から消えたことが分かった。「新京報」が報じた。

 トウ卓棣氏は今年3月、同県の中国共産党委員会副書記に昇格したことが地元紙「平果新聞」の報道によって確認されているが、その後の動静は伝えられておらず、すでに上級の行政府である右高市政府の幹部に昇格したか、あるいは国有企業の幹部に転じたなどとのさまざまな観測が出ている。

 いずれにしても、「トウ小平の孫」というサラブレッドだけに、党指導部が放っておくはずはなく、近いうちに、新しいポストに就任したとの情報が伝えられるとみられる。

 卓棣氏は小平氏の5人の子どものうち、二男のトウ質方氏の長男。1985年に、父が留学中だった米国で生まれ、現在31歳だ。

 北京大学卒業後、米名門のデューク大学に留学し修士課程を修了。ニューヨークの法律事務所に勤務していたが、2013年5月、中国メディアの報道から、平果県の副県長に就任していることが分かった。

 さらに、今年3月15日には同県観光企画座談会に同県党委副書記という県ナンバー2の肩書で登場したことから、「スピード出世」と報じられた。

 ところが、この7月16日に開催された県の党委員会の会議で発表された党委副書記のリストから、卓棣氏の名前が消えており、すでに同県を離れていることが確実となった。

 卓棣氏が現在、どの部署についているのかについて、中国メディアは一切報じていない。

 ただ、同県によると、卓棣氏は知識が豊富で、能力は突出しており、自分が目立つことは好まず、謙虚で真面目、注意深く勤勉で勉強好き──とほぼ満点の評価だった。

関連キーワード

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン