実際、街頭における在特会との“抗争”で逮捕者を出したり、最近でも仲間内での暴力を伴ったトラブルがネット上で話題となった。在特会もしばき隊も「どっちもどっち」という見方をする向きは少なくない。
野間氏に、この点について取材を申し込むと、「イメージや印象といったものについては、とくに気にしていません」「(今後も)ヘイトスピーチやヘイトクライムを減らすために活動を続けます」との回答だった。
一方、対策法成立によって、在特会にもかつての勢いはない。動員力は低下し、いまや活動も休止状態にある。桜井氏の都知事選立候補は、そうした逆風を跳ね返し、舞台を「政治の場」に移行させるための試みであったとも言われる。
在特会に取材を申し込むと、「特に大きな影響はない。法案を曲解し、在特会の現状を知らないしばき隊などが、暴れる口実にしているだけ。桜井氏の立候補には直接の関係、影響はない」。
どちらにとっても街頭パフォーマンスの時代ではなくなった、ということか。
※SAPIO2016年9月号