国内

保健室登校だった小学生の女の子 子ども食堂へ通って変化

 近年、子どもの貧困が社会問題として語られるようになっている。そんな子供の貧困を救うべく全国に広がりをみせる「こども食堂」のうちのひとつ、「要町あさやけ子ども食堂」を開いている山田和夫さんが語った話から、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が「貧困」について考えた。

 * * *
 東京・池袋の住宅街に、「要町あさやけ子ども食堂」がある。店主は、「山田じいじ」こと山田和夫さん(68歳)。子どもに安心・安全な食事と、みんなで食卓を囲む楽しさを提供しようと、2013年3月から自宅を開放した。

 子ども食堂とは、親が共働きであったり、経済的に苦しかったりで、子どもにきちんとした食事を用意できない家庭に対して、無料もしくは格安な値段で食事を提供する活動。子どもの貧困や孤食が問題になるなか、子ども食堂は、全国的に広がっている。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(2012年)によると、18歳未満の子どもの16.3%つまり6.3人に1人が貧困状態にあり、過去最悪となった。1人親世帯の場合はさらに厳しく、54.6%つまり2人に1人が経済的に苦しい環境で暮らしている。

 要町あさやけ子ども食堂が開かれるのは、月2回(第1・3水曜)。数こそ少ないが、子どもたちの様子は目に見えて変わっていく。保健室登校だった小学5年生の女の子は、子ども食堂に通うようになり、自分から食事前の準備を手伝うようになった。そのうち、ほかの子どもとも遊ぶようになり、自分でつくった紙芝居を読むなど、積極性を見せるようになった。

 何か特別なことをしたのか。いや、決してそうではない。

「子ども食堂は狭い場所なので、みんなで譲り合わないといけない。狭いところで、同じものを食べる。そんな体験をするうちに、居場所ができ、何となく心がうちとけていくのだと思います」

 山田さんは、ラジオ番組「日曜はがんばらない」(文化放送、毎週日曜午前10時~)にゲスト出演した際、こう語ってくれた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2017年「侍ジャパン」の新ユニフォームを披露した筒香(時事通信フォト)
《元侍ジャパン主砲》筒香嘉智、現在の姿に衝撃走る かつては「牛のように食べる子供だった」男が激痩せする理由
NEWSポストセブン
芸能界追放危機の木下ほうか
《女優への性加害報道》木下ほうか、550万円損害賠償訴訟を取り下げていた 「法廷の場で明らかにさせていただく」から一転
NEWSポストセブン
天海祐希
天海祐希“何度目かの大ブーム”が到来中 ナイスキャプテンシーな言動による伝説の数々
女性セブン
猿之助の両親の死因は向精神薬の摂取による中毒死とされている
市川猿之助が“遺書”で宛てた付き人兼俳優 騒動後も平然と明治座に現れる姿に「恐ろしく精神の強い人」の声
女性セブン
松本人志に相手にされる芸人と、相手にされない芸人の差はどこにあるのか
松本人志に噛みつくお笑い芸人 反応してもらえる中田敦彦とスルーされる村本大輔の違い
NEWSポストセブン
元タレント・上岡龍太郎さん(2000年3月撮影、時事通信フォト)
《逝去》上岡龍太郎さん、58歳で潔く芸能界を退いた“男の美学”「僕の芸が通用するのは20世紀まで」「老いさらばえた姿を見せたくない」
NEWSポストセブン
羽生
羽生結弦、あふれる地元愛 仙台市内のマンション最上階2部屋を2億円で購入 父の退職を機に家族で転居
女性セブン
2010年、外国人記者クラブで会見するリナ氏。当時はプラダジャパンで部長を務めていた(写真/AFP=時事)
「ピンクの猫好きプリンセス」返金トラブルの高級スクール創立者、家賃滞納の裏で「ビバリーヒルズ移転」「16歳の息子に代表交代」
NEWSポストセブン
京香の愛犬を散歩させる長谷川博己
長谷川博己、体調不良で降板の鈴木京香の自宅に通う日々“ほぼ同棲状態”で京香の愛犬を散歩する姿も
女性セブン
薮宏太の舞台を鑑賞し終えた有岡
有岡大貴と松岡茉優、交際7年目の変化 「同じマンションの別々の部屋デート」から「通い愛」へ
女性セブン
三笘薫(左)の妻・クリアさんはどんな人?(写真/AFLO)
三笘薫が初披露した妻・クリアさんは三段跳び高校日本一のガチアスリート 出会いは大学の推薦入学組仲良しグループ
週刊ポスト
横浜地裁
「陰毛を剃るためのカミソリも持参」懲役30年を求刑された横浜・5人連続レイプ魔の“鬼畜過ぎる”計画性
NEWSポストセブン