国際情報

リオ五輪の中国国旗間違い 大会委と中国政府に見解相違

国旗を間違えたのは誰なのか?

 リオデジャネイロ五輪で当初、掲げられていた中国の国旗「五星紅旗」のデザインが間違っていたことが分かり、大会組織委は急きょ、国旗を作り直して、大会7日目の11日から正しい国旗が使われた。だが、違う国旗が使われたのは、もともと中国側から提出されていたデザインが間違っていたためだったという。

 中国側は間違った国旗について、「大会組織委が間違ったデザインをもとに、ブラジル国内の旗の製造会社に発注したことが原因」としているが、中国側が提出した、もともとのデザインが間違っており、さらに国旗ができた段階で、リオデジャネイロの中国大使館が確認を怠ったことについては、中国内では報道されていない。

 間違った国旗は5日の開会式で中国選手団の旗手を務めた雷声氏(フェンシング)が掲げて行進したのに加え、大会3日目までの表彰式で計8回掲揚された。

 ところが、中国内でテレビを通じて表彰式を見ていた政府関係者が国旗のデザインが違うのに気づき、中国側は外交ルートを通じて、組織委に修正を求める文書を送ったことで、国旗の間違いが明らかになった。

 中国の五星紅旗は文字通り、赤地の旗の左上に5つの黄色い星が置かれているが、そのデザインは左の角にある大きな星の中心を指すように、4つの小さな星の先端がそろえられているのが本来の姿。だが、問題の国旗では、4つの星の先端がすべて真上を向いていた。

 中国国旗のデザインには政治的に大きな意味があり、大きな星は中国共産党を、4つの小さな星は労働者、農民、知識階級、愛国的資本家という4つの階級の中国人民を象徴。国旗では4階級の中国人民すべてが党に従っていることを示しているのだが、間違った国旗では人民が党を無視していることになり、政治的にかなり都合が悪いデザインになってしまった。

 大会組織委の広報を務めるマリオ・アンドラーダ氏は「旗に問題があるというのは承知している。非常に小さな問題だ」とコメントしたが、中国共産党指導部にとっては「非常の小さな問題」ではなく、極めて重要な間違いだ。このため、ネット上は「最初に間違いを指摘した人物は党の最高幹部なのではないか」との声も寄せられており、中国当局が大きな問題ととらえていることを示している。

 このようなことから、北京在住のジャーナリストは「よりによって、もともと中国側から提出された国旗のデザインが間違っており、それも、大使館側が間違いに気付かなかったことが分かると、中国内でも大きな問題になるので、党内部で極秘扱いにされているようだ」と指摘している。

関連キーワード

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン