芸能界からは、名古屋市中川区出身の俳優・森本レオ氏が、名古屋人の「優しさ」と「感性」を語った。
「地元で駆け出しの役者として活動していた頃、名古屋の役者はみんな本当に親切で『演じるとは本来下品なことなので、ギリギリまで控えめに抑えるのが役者の器量だ』と教えてくれた。後に東京に出たら、喜怒哀楽をくっきり表現する役者ばかりで驚きました。
東の荒々しさと西のたおやかさを見続けた芸どころである、名古屋の役者の優しい感性を僕は今でも敬愛し、誇りに思っています」
また名古屋の「いじましさ」は歴史の産物であると森本氏はいう。
「名古屋は元々、大阪で牙を研ぐ豊臣方に対する、徳川家の防波堤でした。名古屋に住む人は、庶民という名の哀しい“辺境警備隊員”だったんだぜえ。ずっと木曽川睨み続けてさ。我々の祖先は怯え続けていたわけで、そりゃあ生き抜くためにケチにもいじましくもなりますよ。歴史に学ぼ」
※週刊ポスト2016年9月2日号