村上:安倍政権の側近連中が、ことあるごとに発言するから、大きな力になっていくんですよ。地方議会においては、椛島(有三・日本会議事務総長)あたりのシニア部隊が議員をオルグしていくから、議会がそれに従うような構図が生まれてくる。
筆坂:それを影響力というのでは……(笑い)。
村上:あるかもしれないけど、大したことはないよ。
平野:もう一つの問題として、自民党の憲法草案では、天皇を元首にして国家の中心に据えるとしているでしょう。それで生前退位を可能にすると、天皇が政治利用される危険が高まりますよ。
村上:そういう問題もある。私は、皇室問題を解決するには、まず天皇家に京都にお戻りいただくことだと思っている。明治天皇は政府に連れられて、江戸城に入れられ、軍部に利用されてきたんですよ。そこから間違っていたんだから、京都御所にお帰りいただき、政権と切り離し、本来の祈り、天の神と地の神、人間と祀り合わせることにご専念いただく。
そのうえで、皇居は世界遺産に登録しよう。それがいい!
●村上正邦/1932年生まれ。自民党。参議院4期。労働大臣、参議院自民党幹事長、自民党参議院議員会長などを歴任。
●筆坂秀世/1948年生まれ。日本共産党。参議院2期。政策委員長、書記局長代行、中央委員会常任幹部会委員を歴任。
●平野貞夫/1935年生まれ。参議院2期。自民党、新生党、新進党、自由党、民主党などに所属。元自由党副幹事長。
※週刊ポスト2016年9月2日号