投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の8月22日~8月26日の動きを振り返りつつ、8月29日~9月2日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。週末には約3週間ぶりに16400円を割り込んでいる。ジャクソンホールで予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を見極めたいとする模様眺めムードのなかで、週を通じて積極的な参加者は限られた。一方で、日銀のETF買入れに対する思惑から下値の堅さも意識されていた。ただし、日銀のETF買入れが確認されたものの、これまでのような大きなインパクトは限られ、反対に戻り売りから下げに転じる局面となるなか、不安定な相場展開だった。
今週の日本株市場だが、まずは先週末のジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演の内容を受けた欧米市場の動向に影響を受けることになりそうだ。もっとも、足元では利上げに前向きな発言が増えていることから、円相場はやや底堅さがみられていた。大きな方向性は出難いと考えられるものの、年内利上げ観測が後退する局面ともなれば、再び円高に振れやすく、株式市場への重しになりそうだ。
また、イエレン議長講演が通過したとしても、週末には米雇用統計の発表が予定されている。さらに9月4、5日にはG20首脳会議が中国・杭州で開催される。雇用統計などの重要指標の発表、さらにG20を控えていることから為替市場での介入の可能性は低いだろう。9月20、21日の日銀・金融政策決定会合での追加緩和期待、米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策への行方などを見極めたいとするムードも根強く、方向感の掴みづらい状況が続きそうだ。
また、9月5日のレイバーデーまでは海外勢は夏休みであり、資金流入は限られているとみられる。そのため、日銀のETF買入れへの思惑、それを手掛かりとした短期筋の仕掛け的な売買などに振らされやすいため、物色は個別の材料株やテーマ株等に向かいやすいとみておきたい。テーマとしては、ZMPフォーラムが31日から9月2日まで開催されることから、自動運転車関連に注目。