スポーツ

大相撲巡業の1日に密着 相撲甚句、初切などで場内大爆笑

ちびっこ相撲には逸ノ城も登場(函館巡業)

 8月19日、函館アリーナの開業1周年の記念イベントとして、大相撲の函館巡業が開催された。その1日に密着した。

 午前8時、「寄せ太鼓」を合図に開場。早朝から並んでいたファンが場内に入ると、すでに幕下以下の力士たちが土俵上で稽古をしていた。その後、白い稽古まわしの幕内力士たちが姿を現わす。土俵上の稽古の迫力が増すなか、観客から拍手で迎えられて登場した人物がいた。巡業部長の貴乃花親方と副部長の玉ノ井親方だ。2人が土俵下に腰を下ろすと、空気はさらに張り詰めた。

 その空気も、続く「ちびっこ相撲」で和らいでいく。市内の幼稚園児20人が稽古まわしをつけて登場。胸を出したのが、角界随一の巨漢、193cm、211kgの逸ノ城だ。子供のまわしを掴んで担ぎ上げたり、別の力士に放り投げたり。そのたびに場内から笑いが起き、子供の頑張りに根負けした逸ノ城が押し出されるという巡業の“鉄板ネタ”には拍手が起きていた。

 力士が美声を聞かせる「相撲甚句」も見どころの一つ。「あ~どすこい、どすこい」の合いの手とともに、「ミカン、キンカン、夏ミカン、都会の娘は気がきかん。うちの親父は働かん。相撲取りは役にたたんが、風邪ひかん……」と力士の日常生活や社会情勢を盛り込んだ歌詞は場内の笑いを誘う。

 様々な珍手を披露し、禁じ手や反則を説明する「初切(しょっきり)」は、貴公俊と貴源治(ともに幕下)の貴乃花部屋の双子力士が演じた。息もぴったりで、スリッパなどの小道具も駆使し、場内は大爆笑に包まれた。そして地元スポンサーのリクエストで決まる祝儀の出る取り組み「番外取り組み」。この日は地元・旭川出身の旭大星と輝との一番が組まれた。

 取り組みが終わり「弓取り式」が行なわれるのは午後3時。7台のバスに乗り込んだ力士たちは函館から4時間かかる次の巡業地、苫小牧に向かった。

 函館巡業を担当した立田川親方(元小結・豊真将)は、

「10日前に函館入りし、準備に取り組んできました。市役所や警察、消防などの挨拶回りに始まり、宿舎の部屋割りや弁当の手配などで慌ただしく時間が過ぎていきました。このあと関係先に挨拶し、明日東京へ帰ります」

 と、ホッと胸をなでおろしていた。

撮影■小笠原亜人矛 取材・文■鵜飼克郎

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン