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2016.09.15 07:00  週刊ポスト

50年以上続くヒサヤマ・スタディから判明 認知症を防ぐ食事

 久山での研究結果をきっかけに、病理の研究も進みつつある。東京医科大学病院の羽生春夫・副院長が説明する。

「糖尿病はアルツハイマー型の原因物質であるアミロイドβというたんぱく質を増やし、それが神経細胞を死滅させ記憶障害を引き起こします。また、高血糖が続くことで糖を燃やしてできる有害物質が処理しきれなくなり、神経細胞にダメージを与えることもある」

 清原氏は大規模疫学調査の意義を改めて訴える。

「疫学の強みは、病気が発症するメカニズムが完全に解明されていない段階から、危険因子を取り除く予防につなげられる点です。久山町研究は1995年、世界に先駆けて『運動がアルツハイマー型認知症発症のリスクを引き下げる』と報告しました。さらにその後の追跡調査では、そのリスク引き下げ効果が40%もあると明らかにしています。どのような運動をどれだけやるのが効果的かは、今も追跡中です」

 認知症予防に関しては、久山町では食事パターンの追跡例もある。1988年の健診で食事調査を受けた認知症を発症していない高齢者をその後17年間追跡。その結果を踏まえ、清原氏はこういう。

「望ましい食事のイメージは『野菜の多い和食+牛乳・乳製品』です。

 住民の皆さんの食生活の中に見られるいくつかのパターンのうち、米の摂取量を減らして、大豆、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品を多く摂るというパターンで認知症のリスクが下がることがわかってきた。だからといって、米の摂取量を単独で見ても認知症のリスクとは相関はありません」

 あくまでバランスのよい食事がリスクを減らすとの考えだ。

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

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