1985年に起きた惨い日航機事故も、JALの半国営企業的閉鎖体質が事故の遠因だ。2011年の福島第一原発事故。半国営企業的な東電の閉鎖体制が招いた人災ではないのか。
競争や資本主義は人の命を奪う、などと言っているが、よほど計画経済のほうが人命を奪い、環境を穢している。ソ連時代の無理筋な灌漑のせいで、アラル海は消滅してしまった。人類史上最悪の環境破壊は常に共産国で起っている。学校でのいじめや自殺問題もまた然り。競争と監視のない空間こそ最も危険なのだ。
すわ人命を盾に規制緩和批判→新自由主義批判→安倍批判に持っていこうとする赤旗も、党外部からの監視を受け他紙と競争すれば、もう少し妥当な感じの紙面になるのではないでしょうか。
●ふるやつねひら/1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。主な著書に『愛国ってなんだ 民族・郷土・戦争』『左翼も右翼もウソばかり』。近著に『ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったのか』。
※SAPIO2016年10月号