国内

留年率が高い大学&学部の特徴 難関大で「6割」も

 で、先ほど横に置いておいた件に戻る。東京外国語大学の2学部、大阪大学外国語学部がトップ3になっている。それ以下を見ても、「外国語」「国際」がらみの大学・学部の留年率がとても高い。その理由は何か。

『大学の実力』は、〈海外に飛び立ち、学んだ結果、留年する学生が急増しています。大学間の協定に基づく交換留学に加えて、私費留学や、海外で働きながら学ぶことを選ぶ学生が増えているためで、留学を後押ししている大学では、留年率が7割近くにも達していました〉と解説している。

 また、それらの学部で留年をするケースの〈多くは就職活動と帰国時期が重なり、半端な時期から就職活動に参加するよりは留年し、次の年の就職戦線に臨みたいという学生だといいます〉ともある。

 つまり、つまりグローバルな学生がドメスティックな新卒一括採用という制度にはじかれて、留年を余儀なくされているわけだ。大学生や大学はそれなりにグローバル化しているが、日本の企業の人事面がまだグローバルのグの字にも追いつけていない、ともいえよう。

 この本もそうだったが、多くの識者が、「だから、新卒一括採用なんて古い風習を捨て、通年採用に切りかえよ」と言う。私は、企業の採用活動の負担面や、いっせーのせで就活が始まらないと自分から動かないでずるずるしちゃう学生が実はすごく多い、という観点から、新卒一括廃止論には反対だ。

 でも、学生たちは多様化してきているし、日本人はもっと多様であるべきである。だから、たとえばこうした留学で就活が困難になってしまう学生などをイメージして、体力のある大企業が採用の一部を通年化するなど、就活の複線化を推し進めるのが落としどころだと思う。

 それにしても、東外大や阪大外国語、秋田の新星・国際教養大、上智大外国語といった難関大に入っても半分前後が留年というのは異常だ。ザ・グローバル大の立命館アジア太平洋大も、かなりの留年者を出している。そこには、この国の保守的体質がリアルに表れている。

関連キーワード

トピックス

高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年、第27回参議委員議員選挙で使用した日本維新の会のポスター(時事通信フォト)
《本当に許せません》維新議員の”国保逃れ”疑惑で「日本維新の会」に広がる怒りの声「身を切る改革って自分たちの身じゃなかったってこと」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン