5万5000人の男女が飛びはね、絶叫し、泣いている。
9月9日、静岡県浜松市の野外公園「渚園」で、4人組ロックバンド『ONE OK ROCK』(ワンオクロック)のコンサートが開かれた。
翌10日の公演を合わせ、2日間11万枚のチケットが瞬時に完売。客層は20~30代の男女、みな暗黙のルールであるかのように黒一色の公式Tシャツを着ている。
「ヤバかったヤバかった!」「どうしよう! ヤバい!」
終演後、客に話を聞くと、一様に興奮してまともな言葉が出てこない。過呼吸で酸欠気味の女性もいた。デビュー11年目。docomoのCMソングや映画『るろうに剣心』の主題歌で知名度を高めた彼らは、“ワンオク”の名で日本中から注目されるモンスターバンドに成長した。
「だって歌上手すぎるんだもん。ほとんど英語なんだけど、洋楽顔負け。今日は古い曲も新曲も一通り歌ってくれてセトリ(曲順)はマジよかったんだけど、ファンの間で今超話題の“あの曲”は歌わなかった。唯一、そこが残念」(観客の一人)
会場のファンに聞くと、みな“あの曲”を知っていた。
「『Hard to Love』って歌。7月にアメリカのライブで初披露されて、まだCD化されてないんだけどね。ユーチューブで100万回再生されてるから、聴いてみて。マジでチョーやばいから」(会場の女性客)
その曲は、ボーカルのTaka(28才)が、父との断絶と和解を歌ったものだった。
「お前ひとりで生きていけ」
Takaは1988年、森進一(68才)と昌子(57才)夫妻の長男として生まれた。森は教育には厳しかった。
「幼児教育がいちばん大事だからと、躾も徹底していた。朝起きたら必ず仏壇にお供えものをして、食事も子供が食べるのは父親が箸をつけた後。友人の家にいっても、Takaはまず仏壇に手を合わせるので、親も驚いたそうです。森さんは小さい頃に両親が離婚して、母子寮で育ってますから。自分の息子には“父親の愛情”をちゃんと注ぎたかったんです」(森を知る芸能関係者)
大学までエスカレーターの超名門私立小学校に入ったTakaは高学年の時、森と一緒に見にいった少年隊の舞台に魅了される。
「パパ、ぼくも踊りたい!」
そのひと言でジャニーズの養成所に通い始めた彼を、親も応援した。
「森さんの家はあくまで学業優先。ジャニーズは課外活動の一環という位置づけだった」(前出・芸能関係者)
しかし、生来のリズム感の良さを買われ、活動は本格化。中3で『NEWS』のメンバーとしてデビューすることになる。
「この時も、“学校の成績を下げないこと”を条件に森さんは活動を認めました。でも、華やかな世界ですから。Takaの生活も変わっちゃって」(前出・芸能関係者)
付属高校に進学した当時、Takaの素行の悪さは校内に轟いていた。