そういえば、19日の街頭演説の後、ぶらさがり会見で、党内融和の人事について聞かれ、ピクッと右眉が動いていた。幹事長人事でおこった党内の不協和音に、かなり神経質になっていたに違いない。
檀上での演説や会見では、ほとんど身振りや手振りを行わない蓮舫代表だが、内面の感情の動きが出やすいのが右眉だ。新代表に就任以降、記者からの質問に、右眉がピクリと動いたことが何度かあった。
1つは二重国籍問題。23日、台湾籍から離脱手続きが完了したことを発表したが、説明が二転三転したことを問題視する議員も少なくないらしい。代表就任会見の質疑応答で、記者からこの問題について「選任されて、禊が済んだと考えているのか」と問われ、動揺したのか、イラッとしたのか、右眉頭をピクピクッとさせた。
もう1つは、共産党との協力関係について。この質問はストレスが強まるのか、その度に右眉がクッとわずかに動く。政権交代を目指す政党として、共産党との連携の是非は判断が難しいところ。代表としての意思決定ひとつで、党内に波紋が広がることは必至。迂闊に返事はできない、ということだろうか。
とにもかくにも、見慣れた顔がずらりと並んだ新体制が始動。蓮舫代表は23日、意気揚々と小池都知事に就任の挨拶に出かけた。会見終了後、出てきた蓮舫代表は上機嫌。満面の笑みで、ぶらさがり会見に臨んだ。
記者から「小池新党と民進党との協力は」と問われると、ここでも右眉がピクリ。「ずいぶん、先走った質問」と歯を見せて笑い飛ばしたけれど、やっぱり小池都知事の政治塾が狙いか。そうしたいという思いが念頭にあったからこそ、無意識に眉が動いてしまったのだろう。
この時も蓮舫代表は真っ白のジャケット。白は新しさ、始まり、清廉潔白、善、そして無などをイメージさせる色。これらのイメージから、真っ白は緊張感を生みやすい強い色でもある。
民進党全体がまとまらずに不満がくすぶり続け、蓮舫代表の求心力が低下しつつあるなら、真っ白という色は、代表と議員・党員らの間の緊張をさらに高め、彼らの心にマイナスに作用し「これじゃあやってらんねぇ~」という虚しさや、やるせなさを強めてしまいかねない。
服装や色合いも、うまく使えば、人の無意識に働きかけ、感情を動かし人心を掌握する一助になりえる。蓮舫代表がこの党内状況の中、どこまで真っ白をトレードマークに突き進むのか、興味津々。