国内

民進党若手から「来年1月解散なら壊滅的な敗北」の悲観論

民進党代表に就任した蓮舫氏

 臨時国会が始まったばかりの永田町では突風のような「解散風」が吹き始めた──。きっかけは日経新聞の〈来年1月解散説 永田町に浮上〉(9月17日付朝刊)記事だった。

 麻生太郎・副総理が派内に「理論上は1月解散はありうる。しっかり準備しておけ」と指示を出しており、安倍首相は12月の日ロ首脳会談で〈北方領土問題を前進させる政治決断を下し、その信を国民に問う──との観測だ〉という内容だ。

 この真偽については各所で議論されているが、安倍首相が周到な点もある。それは、解散日程に他党の事情を巧妙に計算していることだ。9月17日の公明党大会で井上義久・幹事長は1月解散を念頭に置いたような檄を飛ばした。

「年末以降は(衆院任期の)折り返しになるので、常在戦場の構えをより強くしなければならない」

 来年夏には創価学会にとって「国政選挙より重要」(ベテラン学会員)といわれる東京都議選がある。公明党は都議選に全力投球するために国政選挙と都議選の日程が近づくのを嫌っており、“いっそ解散するなら早いうちがいい”という判断がある。

 解散したくてウズウズしている首相に“いまなら勝てる”と自信を持たせているのが野党の体たらくだ。

 民進党は蓮舫・新代表の下で旧民主党のマイナスイメージから脱却するチャンスだった。だが、蓮舫氏は代表選さなかに二重国籍問題で批判を浴びた挙げ句、派閥の親分の野田佳彦・元首相を幹事長に起用し、「民主党の古い体質」がそのまま残っていることを露呈した。

「二重国籍問題は党内のリーク。そのため蓮舫は代表になっても党内不信に陥っており、自分を守ってくれるのは親分の野田さんしかいないと幹事長に据えた」(民進党中堅議員)

 その結果、ジリ貧だった民進党の支持率は看板が変わっても全く伸びていない。政治評論家・有馬晴海氏がいう。

「首相がこのまま解散しなければ、アベノミクスの成果もあがらず、拉致問題など外交も手詰まりで、世論の批判が高まることが予想される。だからそうなる前に解散の時期を探っている。

 それでも、もし、新代表選出で民進党の支持率が上がっていれば、さすがに解散を躊躇せざるを得なかったはずです。しかし、現実は逆になった。この臨時国会で与党はここぞとばかりに蓮舫代表の二重国籍問題を追及してイメージダウンを仕掛けて解散の地ならしをしてくるでしょう」

 民進党の若手からは早くも1月解散の場合、「壊滅的な敗北になる」という悲観論があがっている。

 安倍首相はさぞや笑いが止まらないに違いない。

※週刊ポスト2016年10月7日号

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト