投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の9月26日~9月30日の動きを振り返りつつ、10月3日~10月7日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。米国株安や原油安のほか、円相場が円高に振れて推移するなか、利食い優勢で始まった。日銀の黒田総裁による講演内容が伝わり、「マイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手段」と伝わると、メガバンクなど金融株が下げ幅を拡大。その後、米大統領候補による討論会では、世論調査によると62%がヒラリー氏勝利と回答。これにより為替市場ではやや円安に振れるなど、市場はやや安心感につながった。
その後、石油輸出国機構(OPEC)とロシアのエネルギー相による非公式会合では、原油生産量を制限することで合意。事実上の減産合意となったことが好感される局面もみられた。しかし、米司法省から巨額の和解金を求められているドイツ銀行の経営不安が金融システムに与える影響への警戒が強まる状況のなか、不安定な相場展開となった。
日経平均は足元のボックスレンジ内での相場展開となり、週末にはレンジ下限レベルでの攻防を余儀なくされた。月末や中間期末要因もあって機関投資家が手掛けづらい状況の中ではあったが、ドイツ銀行を巡る金融システム不安が、押し目買い等も慎重にさせてくる可能性がある。
また、今週は週末に米雇用統計が予定されている。年内利上げへの思惑等を左右させてくる可能性もあり、様子見姿勢が強まりそうである。海外勢の売り越し基調が続いているが、リスク回避姿勢からの売りが継続することから、日経平均は現在のもち合いレンジを下にブレイクしてくる展開には注意しておきたい。
また、日銀のETF買入れについては、10月からTOPIX型にシフトするため、地銀など流動性の低い値がさ株などへのパフォーマンスは期待されそうである。しかし、ソフトバンクグ、ファーストリテ、KDDI、ファナックといったこれまで225型でインパクトの大きかった銘柄へのETFによる下支え効果が低下するため、日経平均の下へのバイアスが強まることも警戒されそうだ。
物色の流れとしては、個別材料株中心になりやすい。小売の主力処の決算のほか、中国・国慶節、シーテックジャパン、ノーベル賞などのテーマ株には短期筋の資金がシフトしやすいだろう。