風水の世界では金運を上げるためには秋の過ごし方が重要だという。風水建築デザイナーの直居由美里さんが秋をどう過ごすことが開運に繋がるかを解説する。
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風水の基本である陰陽五行では、森羅万象を木火土金水の五行にあてはめて考えます。方位や色はもちろん、巡り来る季節も五行に対応します。春は木、夏は火、秋は金、冬は水、そして季節の変わり目が土、すなわち土用です。
五行の金は財を司りますが、風水が生まれた古代中国は農耕社会ですから、収穫シーズンである秋が財と結びついたのは自然なことです。金運を上げたいのなら、秋の過ごし方が重要です。
古来、収穫の秋に祭りが催されるのは、自然の恵みに感謝するとともに、つらい農作業の慰労の意味がありました。9月は十二支では酉の月ですが、「酉」にさんずいをつけると「酒」になるのも、収穫を終えたら酒を飲んで少々羽目を外して楽しく過ごしていいという意味も込められているようです。
九星気学で金の気を持つのは七赤金星と六白金星です。七赤金星は、口に関する一切の喜びを司ります。おいしいものを食べて、家族や親しい人と楽しく会話するのが、秋の正しい過ごし方です。
しかし、単に浮かれて過ごしているうちに、長く厳しい冬がやってきます。イソップ童話の「アリとキリギリス」ではありませんが、冬を無事に過ごすためにもそれなりの準備が必要です。
七赤金星が収穫の喜びを象徴するのに対し、六白金星は蓄財を司ります。北西の倉や収納スペースが財運アップにつながるといわれるのは、六白金星の方位が北西だからです。秋こそ、風水的に家を整え冬に備えましょう。
まず、部屋の四隅をきれいに掃除してください。金運はホコリと同じで、部屋の隅にたまりやすいのです。風水の本場である香港や台湾では、部屋の四隅に金運を招く開運アイテムをよく置いていますが、むやみに物を置く前に、すっきり掃除することが基本です。部屋の隅が汚れていると、悪運を引き寄せることになります。
そして、七赤金星の方位である西、六白金星の北西を整えます。もしこの方位にトイレがあるのなら、毎日の掃除をして邪気の発生を防ぎます。