ビジネス

ワケあってシューイチ(週1)開店の店が大人気に

「草木堂野菜店 神楽坂店」では常連さんに野菜の味と食べ方を伝える

 24時間無休で営業する店があふれかえる中、週に1日しか開店しないシューイチ店に、ひそかな注目が集まっている。さっそく話題のお店を訪れてみると、地元客を中心に次から次へと客が集まり、閉店時間より前に品切れになる店もある。

 ここでご紹介する青果店に通う客の1人は「ここのは味が違う。エネルギーが違う。だから、わざわざ足を運ぶ価値があるんです」と力説する。そこで、東西で人気のシューイチ店で、店主たちのこだわりを聞いてきた。

 1店舗目は、東京都新宿区神楽坂にある「草木堂野菜店神楽坂店」。早朝、スタッフ5人で25軒ある群馬県内の契約農家を手分けして回り、東京へ。市場を通さないので、収穫して最短5時間で店頭に並ぶものもある。見た目は普通でも、一口食べると「今まで何を食べていたんだろう」というほどの衝撃が走る。農薬や化学肥料を使わず(一部を除く)育てられたこだわりの野菜たちは生命感がみなぎっているのだ。

 代表の甲田崇恭さんは、高崎経済大学(群馬)在学中、市民農園の管理者として農業に携わったことがきっかけで、この世界へ。

「大それたことは考えてないんですけど…おいしくて新鮮な野菜を届けるのは当たり前で、それ以上に農家さんとフェアにつきあっていきたい。長雨で作物が病気になっていることや、化学薬品ではなく酢や石灰で手をかけて防除する農家もあることなど、作り手の状況も含めて、お客さんにじかに伝えたくて」(甲田さん)

 仕入れ値をどんどんあげて生産者に還元するのに販売価格は抑えたまま。心配する母をよそに本人は笑うばかり。契約農家の、丹羽牧人さんはそんな彼の人柄に魅了された1人。

「甲田くんは約束を絶対守るんです。継続的に取引をする、決めた時間に決めた場所に現れる、いつも連絡が取れる、きちんと振り込みをする。基本的なことだけれど、これを守ってくれる人はなかなかいない。だから、農家は彼にモノを出すんです。

 それに、さらっと人助けまでも。3.11の後、100km以上離れた群馬でも放射能汚染といわれ、一時期うちも全取引中止になったことがあったんですね。その時、共同で放射能測定器を買おうと言い出したのが甲田くんでした」(丹羽さん)

 東京のわずか3坪の店内には店主の人柄が溢れている。

関連キーワード

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト