投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の10月11日~10月14日の動きを振り返りつつ、10月17日~10月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は横ばい。ロシアのプーチン大統領が石油輸出国機構(OPEC)と協力して、石油減産に応じる用意があると発言。これを受けて原油相場が4ヶ月ぶりの高値水準を回復した流れを受けて、連休明けの日経平均は約1ヶ月ぶりに終値で17000円を回復。しかし、米国では非鉄金属大手アルコアの決算が市場予想を下回り、今週から本格化する7-9月期決算への懸念が強まったほか、中国の弱い経済指標の発表が利食いに向かわせるきっかけとなり、週初の上昇分を帳消しにしている。
しかし、金庫株消却を発表したソフトバンクグループ<9984>が、その後もファンド設立を手掛かりに急伸したほか、ファーストリテイリング<9983>は今期業績のV字回復が評価され、ファナック<6954>はロボット生産能力増強の発表や米ファンドによる資金流入観測等から日経平均をけん引。PSVRを発売したソニー<6758>が連日で年初来高値を更新したほか、コマツ<6301>、東芝<6502>なども年初来高値を更新するなど、主力株の堅調な値動きにより、日経平均はこう着ながらも市場のマインドは良好だった。
今週は米国市場では決算発表が本格化するため、業績の評価を見極めたいとする流れになりそうだ。米アルコアの決算をきっかけにNYダウは200ドルを超える下落をみせただけに、今後発表される決算内容を見極める必要がありそうだ。一先ず日経平均は25日線レベルでの底堅さが意識される格好となり、価格帯別出来高の膨らんでいる16600-16700円のレンジは上回っている。決算シーズンとなるため積極的な売買は手控えられ、もち合いレンジ突破は期待しづらいところ。ただし、主力株の底堅い値動きからは、レンジ上限の17000円を意識してこよう。
経済スケジュールでは、7-9月の中国GDPが発表される。先週は貿易統計の弱さが嫌気される場面もみられたこともあり、中国経済の減速懸念が重しになる可能性は警戒されるところ。