「最近のジュニアは、家庭ですでに技術を学んでいます。だから石川遼に教えたのは、コースマネジメントばっかりでした。あと監督の仕事は、高校生をいかにプロの試合にエントリーさせるかの、ブッキングでしたね」
現在のプロゴルファー予備軍の低年齢化は、すさまじいです。日本オープンに出場したお子さんの父親を知っていますが、小学生低学年から毎週コースに連れて行き、大変な労力をつぎ込んでらっしゃいます。女子卓球を見れば分かるように、幼稚園の頃から、泣きながらクラブを握る時代になったのです。
そうなると親の手間を軽減させるために、いっそのこと、全寮制のゴルフ専門の小・中学校を作るとか、そこまでやらないとダメかも知れません。学校が終わったら、側のコースでゴルフ漬け。地方の空いてるゴルフ場なら、充分成立するかも知れません。誰かファンドを募って、立ち上げてくれませんかね。
◆ゴルフをパラリンピック競技種目に
ゴルフは東京オリンピックの正式競技ですが、パラリンピック種目には入っていません。日本にも「NPO法人 日本障害者ゴルフ協会」(DGA)という組織があり、「日本障害者オープンゴルフ選手権」などを積極的に開催しています。一度、彼らとラウンドする機会を得てプレーをしましたが、ひじょうに上手でこちらは完敗でした。
では、なぜ2020年のパラリンピックに、ゴルフは参加できないのか? それは世界共通ルールの統一や、クラス分け、世界ランキングの確立、世界選手権の恒常開催など、解決すべき問題が山積みだからだそうです。簡単にいえば、時期尚早ということです。
でも、やっぱりゴルフを東京パラリンピック競技種目に入れたいじゃないですか! それにはどうするか。これ以上はもう時間もないので、政治の問題だと思います。安倍首相はゴルフが好きですから、リーダーシップを発揮し、ゴルフをパラリンピックの正式競技に推薦してもらいたいです。それが無理でも、次に繋がるアクションを起こしてほしいと願います。
一方、パラリンピック関連でいえば、福祉系大学を出た選手の地道な活動を期待したいですね。せっかく学校で福祉を学んだのですから、選手は率先して車椅子のギャラリーのお手伝いをしたり、障害者ゴルファーと一緒にラウンドしたりと、行動を起こさないと。日本の男子トーナメントでも、プロアマの日はパラリンピックを想定し、障害者ゴルファーを招いてラウンドしてもらう。そうやって、アピールしていかないと。
ウサイン・ボルト選手は、リオパラリンピックで、目の不自由な選手の伴走役を買って出ました。もしゴルフがパラリンピック種目に決まったら、松山選手が、パラリンピック選手のキャディーを務めるなんて、実に素敵なことじゃないでしょうか?
日本の3大メジャースポーツというと、野球、サッカーは出ますが、3つ目が出てこない。テニスか、スキーか、ゴルフか? ゴルフが3つ目の枠に入るには、「選手層の厚さ」と「社会貢献」をクリアせねば。今後、ジュニアたちと福祉系大学出身者に、大いに期待したいです。