ライフ

糖尿病 生の果物は予防になるがジュースはリスク高める

果物を健康的に摂取する方法は?

 健康な生活を送り、寿命を延ばすために重要なのは何を食べるかだろう。フルーツを多く食べることに、健康的なイメージを抱く人は少なくない。ハーバード大学で食と健康に関する研究をしていた米国ボストン在住の内科医師・大西睦子氏は、こんな疫学統計の結果を紹介する。

「英オックスフォード大と中国医学科学院が共同で、中国の都市部と農村部に住む51万2891人(30~79歳)を対象とした大規模疫学調査を実施したところ、生の果物を毎日食べる人は食べない人にくらべて、心血管疾患による死亡が40%、主要冠動脈イベントは34%、虚血性脳卒中は25%、出血性脳卒中は36%少なかったという結果が出ています」

 生のフルーツを頻繁に摂取する人ほど、血圧や血糖値に関係なく、心血管疾患リスクが低かったという。

 しかし、ほとんどのフルーツは長期保存に向かないのが難点だ。市販のフルーツジュースで代用できないか。

 ハーバード公衆衛生大学院の研究者らが、18万7382人を対象に行なった大規模疫学研究の結果が2013年に発表されている。それによれば、市販のフルーツジュースを毎日1杯以上飲む人は、2型糖尿病のリスクが21%も増加し、逆に週3杯のジュースを果物に換えると、糖尿病のリスクが7%減少したという。

「つまり、新鮮な果物を食べることは糖尿病の予防になりますが、糖分の多いフルーツジュースを飲んでいると糖尿病のリスクが高まります」(前出・大西氏)

 ジュースの糖分は商品によって異なり、とりわけ米国のジュースは日本に比べて糖分が高いとされるので、そのまま日本に当てはめられるわけではないものの、気になるデータではある。

※週刊ポスト2016年11月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン