また学校には平等幻想が漂っていて、かけっこに順位がなくなり、学芸会でも主役が一人ではなくなった。これは、卒業写真で自分の子供が端っこだからと再撮を要求する親もいるほど、クレームが多いためです。一方、塾では歴然たる格差が存在します。そういった二重構造の中で、優秀な子供の万能感、特権意識が強くなって、こうした暴走が起こる。“自分たちは特別な人間だから、少々のことは許される”と」
ある東大男子学生(3年生)は、東大カーストともいえる厳しい現実を教えてくれた。
「全国の各高校で1、2を争う学力の生徒が東大に来るものの、いざ東大に入ると周りがすごすぎる。それまでの自信もプライドもザッと崩れる。そしてどの学部学科に進むかで、さらに現実を突きつけられる。
東大の事件加害者が進んだ学科は東大の中でも“寄せ集め”といわれている。もちろん、そこに行きたくて進んでいる人もいるので、彼らがそうだとは断言できないのですが、そういった現実は確かにあります。そういったなかで、東大以外の女子学生は、東大ってだけで“すごい”って言ってくれる。ある意味満たされた気持ちになるのもわからなくはない」
そして、彼らの心理をこう分析した。
「ただ本当に好きな女性にはしないのに、ヤリサー(セックスを目的としたサークル)や飲み会で女性に対してわいせつな行為をするのは、女性を利用して自信も取り戻そうとしている気がする。自分の周りでも“何人とやった”とかを大声で話している人もいるけど、笑っちゃう。そういうことでしか自分を表現できないのかって」(同前)
※女性セブン2016年11月10日号