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「期待はずれのドラ1選手」の言葉は仕事術にも通じる

「聞きすぎてもダメ」というのは、指導で自分のフォームがおかしくなり、本来の長所を消してしまう可能性があるからだ。たとえば河原はこういう言葉を残している。

《私はすごく器用だったので、コーチに言われたことはすぐにできました。『やれ』と言われた通りにやって……少しずつ何かが崩れていったような気がします》

《コーチのアドバイスでも聞き流すことができれば良かったのですが……自分のやり方を押し通す強さが足りなかったかもしれません》

 巨人時代の河原のえげつないストレートを覚えている身からすれば、そんな屈託があったとは意外だ。

「聞きすぎてはダメ」というのは、私もドラ1で入団しながら不本意な成績で終わった元選手から聞いたことがある。

「監督とコーチで言うことが違っていたりするからです。しかもあの人らは2、3年で変わるでしょう。そのたびごとに違うアドバイスを聞いて、バッティングフォームがおかしくなりました。でも現役時代にそれなりにやってた人たちですから、なまじ言うことに説得力があるんだよなあ……」

 またドラ1選手にはアドバイスをしたがるコーチも多い。メディアの注目が集まるからだ。その選手が活躍すれば、「○○の師匠」とマスコミに持ち上げられ、コーチの再就職に有利に働く……という計算もあるようだ。

「聞かなさすぎてダメ」だったのが、水尾。監督からサイドスローを勧められて拒否した途端、2軍でも練習させてもらえなくなった。バッテリーコーチに練習の相手をお願いしても、「お前と一緒にいたら、上からにらまれるから嫌だ」と言われる。もはやイジメに近い。一方で面白いのは江尻は同じくサイド転向を勧められて、それに乗っかり成功した。小林繁・2軍投手コーチから勧められ、いったんは断った。だが「俺が責任を持つ」と言われて決めた。江尻は小林の助言を、サイドスロー投手が少ない「マーケットを見なさい」という意味だと理解し、自分の上手投げのボールが通用しないことを「その実力でレッドオーシャンに飛び込んでどうする?」と表現している。現在はIT企業で働いているビジネスマンらしい表現である。

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