ライフ

O-157による食中毒 肉より浅漬けでの感染例が目立つ

 2000年 カブの浅漬けが原因となり、埼玉県で7名の患者が発生、うち3名が死亡

 2001年 和風キムチが原因となり、東京都・埼玉県で29名の患者が発生

 2002年 きゅうりの浅漬けが原因となり、福岡県で112名の患者が発生

 2012年 白菜の浅漬けが原因となり、北海道などで169名の患者が発生。うち8名が死亡

 この他にも2005年に香川県で患者43名、死者6名を出した食中毒でも患者が食べた浅漬けからO-157が検出されている。

 ただし、O-157など病原性大腸菌による食中毒は原因食品が特定されても、汚染経路が策定されにくい。というのも、汚染に至る可能性があまりに広範囲に渡るからだ。可能性としての経路は「牛の堆肥の発酵が不完全で、O-157菌が残ってしまい畑を汚染。生野菜に付着した」「野菜の流通の過程」「漬け物工場の衛生管理の不備」「浅漬け製造の従事者がO-157を保菌していて、作業の手を介して汚染」など。つまり生野菜からパッケージングまでのすべての工程で汚染する可能性があるということになる。

 いったんどこかで汚染されると、市販の浅漬けの塩分濃度やpHでは、O-157は生き残ってしまう。そして開封して、あたたかなところに放置すれば菌は増殖する。

 これから本格的に暖房を効かせる季節に突入する。部屋全体をあたためなくても、キッチンやヒーターの回りなど、局所的な例外もある。冷蔵保存すべきものは冷蔵庫へ。例えば白菜の浅漬けにO-157を接種した実験では低温(4℃、10℃)で保存したものは、7日後でも菌の増殖が観察されなかったという。上記の食中毒もほとんどが6~8月という夏場に起きている。

「冷却」「分離」「洗浄」を徹底した上で、必要な「加熱」をすれば、あつものに懲りてなますを吹く必要はない。「大敵と見て恐れず小敵と見て侮らず」は、食中毒が相手でも通じることわざなのだ。

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン