JR九州ファーム産「うちのたまご」は羽田空港や東京・赤坂にも直売所があるほどの逸品
地域を活性化させるには、雇用を生み出すことが特効薬といわれる。今般、東京に人口が集中するのは、大学進学を機に全国から若者が集まってくること原因になっているが、その背景には大学を卒業した若者たちの就職事情が深く左右している。
九州の農業が活性化していけば、当然ながら雇用が生まれる。雇用が生まれれば九州からの人口流出は止まる。それは、巡り巡ってJR九州の利用者増にもつながる。いわば、JR九州にとって農業は中長期的な沿線開発ともいえるだろう。
しかし、そうした指摘を「雇用を生んだり沿線開発を考えるなら、大規模な駅ビルを建てて商業施設やホテルをつくった方が手っ取り早い」と田中社長は否定する。
農業への参入には中長期的な沿線開発の意味も含まれているだろうが、そうした理由だけで農業に参入したわけではないようだ。
ニラ栽培を始めた1年半後、JR九州は熊本県玉名市でもミニトマトの栽培を開始。同年には福岡県飯塚市でも養鶏場を開設した。
その後も、2012(平成24)年に大分県杵築市でサツマイモを、2013(平成25)年には熊本県宇土市で柑橘類系(温州みかん・ネーブル・デコポン)の栽培も始めた。