ビジネス

トランプ政権誕生で来年春には日経平均2万円回復も

トランプショックの今こそ「株は買い」か

「株価のバブルが崩壊するなら、私が大統領になる前にしてほしい。就任の翌日に起こるのであれば、前日の方がまだましだ」

 米大統領選挙で劇的勝利を収めたドナルド・トランプ氏の語録の一つだ。奇しくも希望通り、大統領選開票日から金融市場はトランプショックに見舞われ、東京市場では日経平均株価が一時1000円を超える急落となった。

 トランプ氏が選挙戦で主張したようにメキシコ国境に壁をつくるなどの保護主義に走った場合、「最悪、大恐慌に近い世界経済の縮小が起きかねない」(経済アナリスト)という“不安心理”が売りにつながった。

 しかし、当選翌日、日経平均は約1000円の反騰を見せた。株の専門家たちはトランプショックはあくまで瞬間的な混乱現象とみている。

「ヒラリーなら売りだったが、トランプ勝利は逆に買いのチャンスです」

 そう語るのは投資顧問会社「マーケットバンク」代表の岡山憲史氏だ。

「現在、米国の労働統計など足元の経済指標は堅調で、株価が下がり続ける状況にはありません。政策的にも、トランプ氏は富裕層重視ではなく、中間層や低所得者層への大幅減税と法人税の大幅引き下げを公約している。

 中間層以下でも自動車や住宅が買えるようにして、学生も、奨学金がないと学校に通えないような状況を改めると、多くの国民にウケる政策を掲げています。今後、トランプ政権が期待感に変わる可能性は高い」

 トランプ氏の大統領選の勝利演説には、大減税に加えてさらなる株価の好材料が盛り込まれている。「都市部のスラムやトンネル、高速道路などのインフラを立て直していきます」という公共事業拡大政策だ。

 大統領選ではヒラリー氏も2000億ドル以上の公共事業を公約していたが、トランプ氏がぶち上げたのは4倍の総額1兆ドル以上。この“トランプノミクス”が日本の株価を大きく押し上げると、岡山氏は見る。

「短期的には為替が円高に動いているので日本の株価にはマイナス要素ですが、年末には日経平均1万8000円に戻すと見ています。その上で、トランプ氏が来年1月20日の大統領就任演説で具体的な景気政策を打ちだせば、米国の金利が上昇し、世界の資金がアメリカに吸い上げられてドル高・円安に向かう。

 トランプ氏のキャッチフレーズである強いアメリカとは強いドルのことでもあります。そうなればどんどん円安が進んで来年春には日経平均2万円回復は十分あり得る」

 だからこそ、トランプショックの今こそ「株は買い」という判断になる。

※週刊ポスト2016年11月25日号

関連キーワード

トピックス

イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン