ノッポさんは子どものことを「小さい人」と呼ぶ
「小さい人」は賢いですよ。私は常に敬意を持っておチビさんと向き合いますから、すぐに友達になれるんです。もちろん丁寧な言葉も使います。「おそれいります」、「お名前はなんと仰るんですか?」なんて。これはもう私にとってごく当たり前なことなんです。
――今の「小さい人」と昔の「小さい人」、何か変化はありますか?
そりゃあ大違いです。これは大人が悪いですねぇ。エゴイスティックで自分のことしか考えられない人が多くなりました。礼儀、思いやり、社会のルールなど、大人はそういったことを「小さい人」にしっかり教えないといけませんね。隣近所のつき合いもなくなりましたしね。コミュニケーションもなくなっているでしょう。「小さい人」はいつでも親の振る舞いを見ているんです。しっかりとね。
――大きくなった元「小さい人」へ何かメッセージはありますか?
本を読んでくれて、そこから何かを感じ取ってもらえたら……(笑)、というのはともかく、メッセージをたくさん盛り込みましたよ。
ところで最近、40代、50代の方、おじさま、おばさま方が、とてもよく私にご挨拶をしてくれるようになったんです。道を歩いていたり、駅の構内だったり、レストランだったり、お蕎麦屋さんだったり、本当にいろんなところで。
私に気づいた時のみなさんの嬉しそうな笑顔。あれは、私の想像以上のもので、とっても嬉しく感じています。思うに理由はふたつです。
ひとつは、あの『できるかな』。自分で言うのもなんですけれど、本当に一生懸命やりましたから。「小さい人」たちに迎合したり、妥協して演じるなんて絶対にしませんでした。本物のエンターテインメントを目指したんです。そういったこだわりが「小さい人」、今の元「小さい人」に伝わったんでしょうね。
もうひとつは、私と会うことによって、みなさん自身が「小さい人」だった当時に戻るからでしょうね。きっとそれが、嬉しく、楽しいんですよ。
――ところで、ノッポさんが一番「幸せだなぁ」と思う時ってどんな時ですか?
そりゃあ、おチビさんとやり合う時ですよ。おチビさんはよく大人をからかいますよね。おチビさんがちょっといじわるなことをしてきた時なんて、私は「さようですか」とバッサリやるんです。これは抜群の効果がありますよ。絶対に勝つんです。「これは上手(うわて)だ!」「この人にはかなわない!」ってなりますからね。そんなやりとりがあると、おチビさんも私を友達として認めてくれるようですね。