「全身に菌が回って敗血症になると、手足の筋肉がどんどん壊死していくだけではなく、多臓器不全などで亡くなることがあります。3日以内に死亡することも多く、ひどい場合は数十時間でショック死することもあります」
致死率は30%! 世界を恐怖に陥れたエボラ出血熱の致死率は20%~90%といわれているので、この数字がいかに高いかがおわかりいただけるだろう。
◆感染しやすい人は?
感染者は30才以上に多い。
「特に高齢者や糖尿病、肝臓の疾患を持っている人は注意してください。免疫力が下がっているため、菌に体が負けやすい状態になっています」
◆なぜ感染者が増えたのか?
風邪やインフルエンザなどと違い、人から人へ感染はしにくいとも考えられている。とはいえ、患者が急増している理由も、発症原因も充分にはわかっていない。病気が社会に周知されるようになり、これまで原因不明とされてきた症状が『人食いバクテリア』と診断される例が増えている可能性も指摘されている。
◆どう対策すればいいのか?
身を守るためには、とにかく早く感染に気づくこと。
「高熱やだるさに加え、腕や脚に強い痛みを感じたらすぐに病院へ行ってください。インフルエンザが陰性だとしても、“あれ?”と思うことがあったら自分の身に起きている異変をきちんと医師に伝えることが肝心です。
また日常的には菌を寄せつけないために、手洗い、うがいをしっかりすること、そしてけがをした時は傷口を清潔に保つことが有効です」
何事も「とりあえず家で寝ていれば治る」は禁物です。
※女性セブン2016年12月15日号