■東京、大阪にも「格差」
「専門医が集中している23区内でも杉並区、豊島区、荒川区はゼロです。多摩市や青梅市など東京西部は広範な範囲で専門医が不在。首都の中でも隔たりがあります」(同前)

 全国の中でも専門医が多い大阪も予想外の結果だ。

「専門医ゼロのエリアに隣接する多くの地域には専門医がいるが、大阪全域はカバーできていないと現地の医師は回答している。まさかの結果でした」(同前)

■北海道、宮城、福岡など地方の主要都市は一極集中
「札幌市、仙台市、福岡市など県庁所在地の周辺に専門医が集中している」(同前)

 神戸市、広島市なども専門医が5人以上いるが、県庁所在地から離れると、極端に減少。「県内格差」は主要都市でも大きい。

■地方都市は極端な医師不足
 人口の少ない地方都市は主要都市よりさらに最新治療を受けるチャンスが減る。

「これらの都市は専門医の数が極端に少ない。しかも数少ない専門医は他県と同様、中核都市に限られます」(同前)

 青森県にある弘前脳卒中・リハビリテーションセンター内科副部長の齋藤新氏が「地方の現実」を語る。

「地方はまだ専門医が少なく、しかも偏在しています。医師が国内留学して技術を学び、我々のセンターもようやく体制が整ってきたところです」

※週刊ポスト2016年12月16日号

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