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故・荒川博さんが明かした「王がはじめて一本足で打った日」

一本足打法の生みの親、荒川博さん

 享年86──巨人のV9を打撃コーチとして支え、王貞治氏の「一本足打法」の“生みの親”として知られる荒川博氏が12月4日、この世を去った。V9戦士を指導した「荒川道場」について生前、本誌に数々のエピソードを語っていた。

 2014年、荒川氏は本誌連載「巨人V9の真実」の取材に対し、王氏との“運命の出会い”をこう振り返っていた。

「初めて会ったのは、王がまだ14歳の中学生だった頃。隅田公園で王が初めて試合をした日に、僕も何十年ぶりかでたまたまそこに行った。奇跡だよね。

 王は左投げ右打ちのピッチャーだった。最初の2打席を凡退したので、3打席目の前に“左で打ってごらん”と声をかけたら、王は“ハイ”と返事して左打席に入り、目の覚めるような二塁打を打ったんだ。これは大物だと直感して、“早実に入れれば全国制覇できる”と、母校まで頼みに行った。実際、王は早実に入って2年の時にセンバツで優勝してくれました」

 荒川氏は早実から早大へ進学、東京六大学では1年後輩の広岡達朗氏らとともに活躍。毎日オリオンズに入団後は左の好打者としてプレーしながら、早実の後輩・榎本喜八氏を指導して通算2314安打の大打者に育て上げた。

 1961年に現役引退、翌年には川上哲治監督率いる巨人の打撃コーチに迎えられ、入団4年目の王氏と“再会”する。まだ、“王は王でも三振王”と揶揄されていた頃である。荒川氏は川上監督から「王を榎本のようにしてくれ」と指示を受けたという。

 そこから世に名高い「荒川道場」が始まった。合気道を取り入れた独特の指導法で力をつけた王氏は、同年7月のある試合で、一風変わった打撃フォームでホームランを放つ。一本足打法の誕生である。2014年の取材の際に、荒川氏はその日の詳細な経緯を初めて明かした。

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