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きみまろ川柳「“恋”できず “鯉”で紛らす カープ女子」

綾小路きみまろが新作川柳を一挙公開

 皆様、振り返ると今年もいろんなニュースがございました。「ゲス不倫」に「ポケモンGO」ブームや「広島カープ優勝」。「SMAP解散騒動」もありましたし、「小池都知事誕生」や「トランプ勝利」にもびっくりぽんでした。そんな驚天動地の2016年、師走を締めくくるのが文庫版『きみまろ「夫婦川柳」傑作選』の発売でございます!

 おかげ様で1巻・2巻合計5万部突破のベストセラーとなり、さらに話題を呼んで「ぜひ文庫で読みたい」という声が、私・綾小路きみまろがの耳にも数多く届きました。「空耳じゃないのか?」違います! そんなご要望に応えて今回文庫化されたのを記念し、今年の流行語を夫婦川柳にして、この1年を笑い飛ばす連載特別版をお届けしたいと思います。

【カミさんの 浮気チェックは  神ってる(怖)】

 広島カープ優勝で流行った「神ってる」。奇跡のように「神がかっている」のを表わす表現です。カープ関連では、女性のカープファンを指す「カープ女子」という言葉もすっかり浸透しましたが、男性ファンより熱狂的なその応援ぶりに、こんなやっかみの声も……。

【「恋」できず 「鯉」で紛らす カープ女子】

 若い女性だけでなく、カープ女子は主婦層にも多いようですが、「うちの女房は、カープ女子じゃないんだけど、まさにカミさんらしく、神ってるんだよなぁ。ちょっと浮気しそうになっただけで、すぐに勘づいて鋭いチェックが入ってくるんだよ」。心の動揺を隠しながら、必死で言い訳するご主人。しかし、奥様はご主人より何枚も上手、冷静に観察してます。

【嘘をつく ダンナはいつも カミ(まく)ってる】

 奥様との対戦では三球三振、完封負けのご主人なのです。

【ゲス不倫 してた俳優  好きな妻】

 一世を風靡した流行語「ゲス不倫」。最初は『週刊文春』が報じ、『文春』を英語にした「センテンス・スプリング」という言葉も流行語になりました。「私、この俳優さん、好きだったのに。ショックだわ」と、ため息をつく奥様。「こんな男が好きだって? 趣味、悪いねぇ」と、毒づくご主人。「そんな私が選んだのはアナタなの! フン! 悔しいんでしょ。どうせその顔じゃ、不倫したくても誰も相手にしてくれないもんね。ああ不憫!」……奥様の逆襲です。

【その顔じゃ 不倫は無理ね ああ不憫】

 そういえば「離婚届」を意味する“卒論”という言葉も流行りました。浮気がバレたご主人、「そろそろ“卒論”を準備しなきゃかも……」と思っていると、

【“卒論”を 出すのはあたし み・れ・ん・な・し】

「そんな、お・も・て・な・し、みたいにいうなよ。本当に離婚なの?」。すがるご主人に奥様、「もちろん、じゃなかった、卒論!」。きっぱりと言い放つのです。

※週刊ポスト2016年12月23日号

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