ライフ

初詣シーズン、達人が教える神社の「少し丁寧な参拝作法」

少し丁寧な参拝の作法

 今年も残すところあとわずか。年末年始に神社を訪れる人も多いだろうが、知っていそうで知らないのが「参拝の作法」だ。ベストセラー『神社の謎』著者の合田道人氏が伝授する。

 * * *
 お清めの手水が済んだら拝殿の前に立ち、まずは軽く一礼する。次に、鈴があれば鳴らす。八幡宮など庶民的な神社にはあることが多い。鈴の音には邪気を祓い、神様をお呼びするという意味がある。

 次に、お賽銭を入れ、再び軽く一礼する。このあと「二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝。出雲大社などごく一部の神社では「四拍手」)と呼ばれる手順を踏むが、ここでは少し丁寧なやり方を紹介しよう。

 最初の「二礼」は腰が直角に近く曲がるほどの深いお辞儀である。続く「二拍手」だが、両手をしっかりと合わせて叩いている人が多い。しかし、それは間違いだ。神道では「左は神、右は人」という考え方から、左優先であることを思い出して欲しい。

 ここでも、両手を合わせたら右手を少し下に引き、左の手のひらの上に右手の指が重なった状態にする。その状態で手を叩くと、小気味のいい音が鳴る。

 このあと心の中で願い事を唱えるのだが、まずは自分の名前、住所を言い(特に初めてお参りする神社の場合)、「いつもお力をありがとうございます」などと神様への感謝の言葉を述べ、続いて願い事を簡潔な言葉で唱える。

 もしも後ろに並んでいる人が多くなければ、簡単に祝詞を上げてもいい。

 祝詞とは神前で奏上する言葉のこと。その形式を借り、「掛まくも畏き(恐れ多いほど威厳のある、の意)」と言ってから、参拝している神社の祭神の名前を読み上げ、続いて願い事を述べ、最後に「白す事を聞食せと恐み恐みも白す」(申し上げた事をお聞き届けくださるよう、恐れ多くも申し上げます、の意)という。

●ごうだ・みちと/1961年北海道生まれ。歌手、作家。年間のべ200ほどの神社を参拝している。著書の『神社の謎』シリーズ(祥伝社)が累計10万部超のベストセラーになっている。12月24日に『あなたの願いをかなえてくれる神社』(同)が発売。

撮影■渡辺利博

※週刊ポスト2016年12月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン