高須:ヘリコプターの事故は、それなりに起きているものだと思うんだけどね。(愛知県)西尾の高須病院の近くの海に、台風で緊急出動した自衛隊のヘリが墜落したことがあったんだけど、ほとんど報道されなかった。米軍のオスプレイだから、大きく取り上げられているっていうことなんだと思う。
──今回のオスプレイの事故は、沖縄本島北部の浅瀬に不時着というものでしたね。
高須:住民に被害が及ばないように、海に落ちたってことでしょ。パイロットは最善を尽くしたし、米軍のニコルソン司令官も誠意ある対応を取っていると思う。
それにねえ、やっぱり災害があったときにはオスプレイのお世話になっているわけだよ。熊本地震のときなんかは、オスプレイがたくさん救援物資を運んでくれた。それなのに、ひどい批判を受けて、ちょっと気の毒だよな。
──安全性について議論されるのは当然ですが、一方でオスプレイの有益性についてはあまり語られない印象がありますね。
高須:そうなんだよ。いろいろな使い方も考えられるしね。たとえば、オスプレイの中を手術室にして、国境なき医師団が運行したら、素晴らしいものになると思う。戦地から病院に運んでいる途中に手遅れになるっていうことが減るわけだから。オスプレイの有効利用については、もっともっと語られるべきだと思うね。
* * *
オスプレイの有効性をしっかり評価すべきだという立場を取る高須院長。たしかに“手術ヘリ”となれば救える命も増えそうだ。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)など。最新刊は『行ったり来たり 僕の札束』(小学館)。