博物館を運営する婦女救援基金会の康淑華執行長がマイクを握り、開会の挨拶を行った。
「私たち共通の目標は、日本政府に対して正式な謝罪と賠償を求めることです。たったこれだけのことが、いまだ何の成果も得られていないのです」と神妙な口調で語ると、マイクを韓国の代表者、申蕙秀氏(「慰安婦の声」ユネスコ記憶遺産計画責任者)に譲った。
「日本の安倍政権は慰安婦問題を解決する気がなく、国際機関からの勧告を徹底的に無視しています」
「彼らは、慰安婦たちが亡くなればこの問題も終わると思っているんです」
そう強い口調で日本を断罪し、2015年に慰安婦をユネスコ記憶遺産に登録申請した件についてこう語った。
「100年、200年後に慰安婦の歴史がどのように定義されるのか。そこで重要な役割を担う」
ユネスコ記憶遺産の申請については、「性奴隷」や「慰安婦20万人」といった主張に明確な裏付けはない。彼女たちの狙いが実現すれば、彼女たちこそが“歴史の改竄”に手を染めることになるのではないか。2015年は申請が却下されたが、「来年(2017年)こそ登録できるよう全力を尽くす」と語気を強めており、まったく諦めていない様子だ。
※SAPIO2017年2月号