では、日本の株価はどこまで上がるのか。私は株価予測で市場の波動を重視する。改めてリーマン・ショック後のチャートを見ると、教科書のようなシンプルな波形を示している。2012年に「大回り3年」といわれる3年波動が動き始めて2015年に天井、その後は調整に入り、2016年の年央から秋にかけて、「下値切り上げ型の三角持ち合い」と呼ばれる値上がりのサインが出ていたところにトランプ相場が到来した。
注目すべきは、その間の値動きの「幅」だ。最初の3年で株価は約1万2000円値上がりした。天井はおよそ2万1000円。そこから1万5000円まで値下がりしたので、値下がり幅は約6000円。経験豊富な投資家は気づくと思うが、値上がりした幅の半分を戻して下げ止まる「半値押し」になっている。これは上昇サインと判断できる。
このパターンで意識されるのが「倍返しの法則」だ。半値押しで下げ止まった相場には、そのあと値下がりした分の2倍値上がりするという“習性”があり、それを倍返しと呼ぶ。
底値の約1万5000円から倍返しすれば、1万2000円分値上がりして、目標株価は2万7000円になる。ダウ平均が2万ドルを突破すれば、日経平均も2万円の大台に乗せ、2万7000円に向けて上昇ムードが高まるだろう。
ただし、2017年前半の高値は年央までに2万2500円程度と予測する。これを突破すれば倍返しが現実味を帯びてくる。
具体的に期待される銘柄は、安倍政権が掲げる「第4次産業革命」に関係するAI(人工知能)やビッグデータの分野に積極的に進出する企業になるだろう。
※週刊ポスト2017年1月27日号