ここ2年間、月9は『恋仲』『5→9~私に恋したお坊さん~』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『好きな人がいること』など、主に20代男女の恋愛を描いてきました。中高年層をターゲットにしたテレビ朝日のドラマとは対極であり、TBSや日本テレビも大半が30~40代中心で、月9のようなミドルティーンから20代をターゲットにした作品は深夜しか放送しません。
その理由は、ミドルティーンから20代は、スマホやパソコンの優先度が高い上に、テレビ番組もTVerや録画視聴が多く、視聴率に直結しにくいから。ただ、今の段階から若年層をつかまえておかなければ10~20年後のテレビ業界が危ういだけに、月9の果たしている役割は少なくないのです。
しかし、現在放送されているミドルティーンから20代向けの月9を見て、かつて月9を見て育ってきた30~50代が「最近の月9は……」と嘆きたくなる気持ちも理解できます。今回の『突然ですが、明日結婚します』も、30~50代からの酷評が目立つ一方、「夢を追うよりも現実としての結婚」を望む人の多い若年層女性からの評判は決して悪くありません。
そして、月9関係者にとって最もやっかいなのは、“嫌フジテレビ”の人々が行うネガティブキャンペーン。彼らは「フジ」という言葉を見ると「番組を見てもないのに叩く」という行動が習慣化され、なかでも同局の象徴である月9は最高の標的となっています。
事態を悪化させているのは、メディアがそれを後押ししていること。実際、私が交流のある複数の大手メディア編集者も、「フジテレビのネガティブな記事を書くとページビューが上がるから、思わずやってしまう」と話していたように、内容の良し悪しに関係なく「月9、低視聴率」「月9、打ち切りへ」と書きたい人が多いのです。