◆「お人好し」か「意地悪」か
認知症になりやすい性格もある。
〈人は誰でも、何かを失うぐらいなら多少卑怯な手を使っても利益を掴もうとすると思うか〉
こんな設問への回答内容で「皮肉屋」と分類された人の認知症発生率が、そうでない人の3倍だった。明らかにしたのはイースト・フィンランド大学の研究だ。
◆「おしゃべり」か「無口」か
1990年に東京都老人総合研究所の柄澤昭秀・副所長(当時)が、アルツハイマー型認知症を発症する前段階の性格として指摘したのは「頑固」や「わがまま」だ。
脳血管性認知症についても同様の指摘がなされているが、こちらの病前の性格の特徴はさらに「無口」や「引っ込み思案」が加わっていた。これは個人の性格として片付けられそうなことが病気の予兆である可能性を示唆する研究だ。
◆「インドア」か「アウトドア」か
スウェーデンのカロリンスカ研究所が1987年から75歳以上のストックホルム中心部の住民を対象に行なった〈クングスホルメン研究〉の追跡調査によると、読書などの知的活動に毎日取り組んでいる人は、そうでない人に比べ認知症の発症リスクは半分だった。
また同様に、水泳やウォーキングなど身体的活動に毎日取り組む人はそうでない人に比べ発症リスクは4割だった。「内に籠らず積極的に外に出る」という行動パターンが変化をもたらしたといえそうだ。
※週刊ポスト2017年2月24日号