性行為を試みようとして、十分な勃起を得られない、また維持できないのがEDだ。EDは「心因性」と「器質性」の2つに大別される。そのうち、器質性は生活習慣が身体に悪影響を与えることで発症の引き金となる。
最も身近な習慣の一つである「歯磨き」は、サボるとEDのリスクがグンと高まる。2012年に行なわれた「米国泌尿器科学会年次集会」の報告によれば、ED男性3万3000人とEDでない男性16万2000人を対象に調査を行なったところ、ED患者が歯周病に罹っていた割合は27%で、EDでない人の罹患率9%を大きく上回った。
「歯周病は単に口の中の病気ではなく、歯周病菌によって生まれる炎症性物質が血流に乗って体内を駆け巡り、全身の血管や臓器を傷つけるといわれている。歯周病菌が陰茎内部の血行障害を招き、EDを引き起こした可能性が指摘された症例もある」(川崎医科大学泌尿器科学教室教授の永井敦氏)
※週刊ポスト2017年3月24・31日号