国際情報

大前研一氏 「トランプ政権は遠からず崩壊する」の根拠

娘のイヴァンカ氏と夫のクシュナー氏 時事通信フォト

 米トランプ政権は今後、日本に対して本格的に貿易交渉や経済協定の見直しを主張してくることになる。しかし大前研一氏は「トランプ大統領の主張にまともに向き合ってはいけない」と警告する。その理由はなぜか? 大前氏が解説する。

 * * *
 私は、このままいくとトランプ政権は長くはもたないと思う。その理由はまず、イスラム教徒が多数を占める中東・アフリカ7か国の国民の一時入国禁止をはじめとする、世間を混乱させるような脈絡のない大統領令を次々に出していることだ(※注)。あれは極右メディアの会長だったスティーブン・バノン首席戦略官兼上級顧問がベースを書いたものに、トランプ大統領がテレビカメラの前でサインしているだけである。

※注:その後イラクを除外し6か国に変更

 つまり、バノン氏が“脚本家”で、トランプ大統領は“司会者(MC)”なのだ。バノン氏は「影の大統領」とも呼ばれている。そんなやり方がアメリカで長続きするはずはないだろう。

 もう一つの理由は、側近や閣僚の顔ぶれがまともではない上、その組み合わせが支離滅裂で、いつ彼ら同士が衝突して内部分裂してもおかしくないからだ。

 たとえば、トランプ大統領の愛娘イヴァンカ氏の夫で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏は敬虔なユダヤ教徒だが、バノン氏は「白人至上主義者」で「反ユダヤ主義者」である。

 さらに、大統領選挙でトランプ氏に25億円とも言われる多額の献金をしたラスベガス・サンズ会長のシェルドン・アデルソン氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相にも強い影響力を持つと言われるユダヤ社会の実力者なので、トランプ氏がバノン氏を重用していることを快く思っているはずがない。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン