これは取材に行かねばと、私は先日、神奈川県内のロケ現場に行ってきた。新しもの好きの本物信長は、酒場で扇片手に得意の「敦盛」を舞って現代人に大ウケしたり、セグウェイで快走したりしてご満悦とのことだが、私が撮影現場で目撃したときは、ワイルドなちょんまげにサングラスを何本も突き刺し、腰には刀、ぴたぴた白パンツにとがり靴という謎の業界人みたいなスタイル。三宅弘城は、朝ドラ『あさが来た』の実直な番頭さんとは別人のようである。
その本物の前で小さくなっているロバート秋山信長ともうひとりの武将(ここではナイショにしておきます)が、どういうわけか寒風の中、ちょんまげにバスローブ姿でたたずんでいた。低予算のため(?)現場の本物撮影スタッフも撮影スタッフ役で出演しているので、そのあたりはとってもリアルだが、そのとぼけた様子を見ているだけで、私も笑いをこらえるのに必死。通りかかった観光客も「これは何の撮影!?」と困惑気味。そりゃそうだ。説明しようにも、とても一言では説明できません!
このドラマで面白いのは、キテレツな設定ながら、本物信長が「これはホント」と言い出す自分のちっちゃなエピソードがすべて史実ということ。戦国武将といえば、男色も珍しくなかったはず。大河ドラマでは絶対に出てこないこんな話もでてきたりして?
もうひとつ面白いのは、先日、初のオフィシャルブックまで出した『世界のYOKO FUCHIGAMI』はじめ、架空のクリエイターに扮して、なりきり名人ぶりを見せている秋山の信長が、ちっとも信長らしくないこと。私もこれまで多くの信長を見てきたが、こんなぽっちゃり御屋形様は初めてである。
当然のごとく最近の信長出演作、『真田丸』や『信長協奏曲』は意識しているはず。細川監督が史実縛りでどこまで笑わせてくれるか。この勢いで秀吉編、家康編もできませんかね? 全員、演じるのは秋山ってことで。